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解析 I (5回目)指数関数

\( f(x) = e^{3x} \) の 導関数を求めよ

導関数の定義 \begin{align}f'(x) = \lim_{h \rightarrow 0} \frac{f( x+{h } ) - f(x)}{h }\end{align} いま、関数が \begin{align} f(x) = e^{3x} \end{align} で、$x$ を「記入欄」だと思えば \begin{align} f(  ) = e^{3(  )} \end{align} なので、(  )に$x+h$を代入すれば  \begin{align} f( x+h ) = e^{3(x+h)} \end{align} ※ $e^{3x+h}$ は間違いです! ( )がないと、3が $h$ にかかりません。
これらを導関数の式に代入すれば \begin{align}f'(x) &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{f( x+{h } ) - f(x)}{h }\\ \\ &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \quad \quad e^{3(x+h)} - e^{3x} \quad }{h } \end{align} まず3を分配してください \begin{align}f'(x) &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \quad \quad e^{3x+3h} - e^{3x} \quad }{h } \end{align} 指数関数の法則より$ e^{3x+3h} = e^{3x}\cdot e^{3h}$なので
\begin{align}f'(x) &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \quad \quad e^{3x}\cdot e^{3h} - e^{3x} \quad }{h } \end{align} 分子には全部に$e^{3x}$がかかっているので、これを外に出すように因数分解 \begin{align}f'(x) &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \quad e^{3x} ( e^{3h} - 1 )\quad }{h } \end{align}
ここで、 $e$ の定義より \begin{align} \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \quad \quad e^h - 1 \quad }{h } \equiv 1 \end{align} を使いたいけどちょっと形が違う!分子が $ e^{3h}$ なら、
分母も $3h$ にしないと \begin{align} \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \quad \quad e^{3h} - 1 \quad }{ 3h } \equiv 1 \end{align}
この形を使えるように、導関数の式の分母に3が来るように細工をします。
分母と分子に3をかけ \begin{align}f'(x) &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \quad 3 \ e^{3x} ( e^{3h} - 1 )\quad }{3h } \end{align} $ 3 \ e^{3x}$ は $h$ とは直接関係ないので、 $\lim$ の外に出してもかまわない \begin{align}f'(x) &=& 3 \ e^{3x} \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \quad  ( e^{3h} - 1 )\quad }{3h } \end{align}
ここで、 $e$ の定義より \begin{align} \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \quad \quad e^{3h} - 1 \quad }{ 3h } \equiv 1 \end{align}
\begin{align}f'(x) &=& 3 \ e^{3x} \cdot 1 \\ &=& 3 \ e^{3x} \quad \end{align} 以上まとめると、

 $(e^{3x})' = 3 \ e^{3x}$ 微分しても同じ

$e$ の肩の上は1つ減ったりしないことにご注意ください。

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