東北工業大学 工学部情報通信工学科 中川研究室


ラプラス変換

前の問題

例題


 y '' + 4 y ' + 5y = 1 ただし y(0) = 0y'(0)=0

1.両辺をラプラス変換する
ラプラス変換( y '' ) + 4 ラプラス変換( y' ) + 5 ラプラス変換( y ) = ラプラス変換( 1 )

2.ラプラス変換の微分法則 を使う
ラプラス変換( y' ) = -y(0) + sラプラス変換( y )
ラプラス変換( y'' ) = -y'(0) + sラプラス変換( y' )だから
これを代入
-y'(0) + sラプラス変換( y' )  + 4 { -y(0) + sラプラス変換( y )} + 5 ラプラス変換( y ) = ラプラス変換( 1 )

3.もう一度ラプラス変換の微分法則 を使う
-y'(0) + s{ -y(0) + sラプラス変換(y) } + 4 { -y(0) + sラプラス変換(y) } + 5 ラプラス変換(y) = ラプラス変換( 1 )


4.初期条件を使う
問題文に書いてある y(0) = 0, y'(0)=0 を代入
0 + s { -0 + s ラプラス変換( y )}  + 4 { -0+ s ラプラス変換( y )} + 5ラプラス変換( y ) = ラプラス変換( 1 )
整理整頓
( s2 + 4s + 5 )ラプラス変換( y ) = ラプラス変換( 1 )

5.右辺のラプラス変換を計算する
( s2 + 4s + 5 )ラプラス変換( y ) = $\displaystyle {1 \over s}$

6.ラプラス変換( y ) = の形に持ち込む
$\displaystyle \mathcal{L}(y) = {1 \over s \cdot (s^2 +4s + 5) }$

右辺は何かのラプラス変換の足し算、引き算になるまで ばらしまくる。
知っている技は何をつかってもよい。ここは右辺を
$\displaystyle \mathcal{L}(y) = {A \over s} + {Bs+C \over (s^2 +4s + 5) }$ などとおいて
$A,B,C$を合わせていけばできる。(部分分数分解)

この形で通分してみて
$\displaystyle \mathcal{L}(y) = {A (s^2 +4s + 5) \over s \cdot (s^2 +4s + 5)} + {s(Bs+C) \over s \cdot (s^2 +4s + 5) }$

$\displaystyle \mathcal{L}(y) = {A s^2 +4As + 5A +Bs^2 +Cs \over s \cdot (s^2 +4s + 5)} $

$\displaystyle \mathcal{L}(y) = {(A+B) s^2 +(4A+C)s + 5A \over s \cdot (s^2 +4s + 5)} $

分子が1になればいいので
$ A+B =0$
$ 4A+C =0$
$5A=1$
これより $\displaystyle A= {1\over 5}, B= -{1\over 5}, C= -{4\over 5}$
$\displaystyle \mathcal{L}(y) = {1\over 5} \{{1 \over s} -{s+4 \over (s^2 +4s + 5) }\}$

$\displaystyle \mathcal{L}(y) = {1\over 5} \{{1 \over s} - {(s+2)+2 \over (s+2)^2 + 1 }\}$

$\displaystyle \mathcal{L}(y) = {1\over 5} \{{1 \over s} - {(s+2) \over (s+2)^2 + 1 } -{2 \over (s+2)^2 + 1 }\}$

7. 何のラプラス変換か考え
$\displaystyle \mathcal{L}(y) = {1 \over 5} \{ \mathcal{L}(1) - \mathcal{L}( e^{-2t}\cos(t)) - 2 \mathcal{L}( e^{-2t}\sin(t)) \} $

8.両辺のラプラス変換( )を同時にはずす
$\displaystyle y = {1 \over 5} \{ 1 - e^{-2t}\cos(t) - e^{-2t}\sin(t) \} $
検算しましょう
出来た答えを元の方程式に代入して、成り立つかどうか確かめよう。
問題の式の右辺と同じになればOKです。

初期条件も代入して確かめましょう。
初期条件と同じになったのでokですね!

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