東北工業大学 工学部情報通信工学科 中川研究室


たたみこみ(合成積)
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ひっくり返しても
f*w = w*f
大丈夫

 入力 f( τ ) に 応答 w( t-τ ) を掛けて
最初 τ= 0 から 今 τ= t まで 積分したもの

τ = 0τ = t f( τ ) w( t - τ ) dτ

がたたみこみを表すのは分ったとして、

どの教科書を見ても、
f( t ) と w( t )とのたたみこみ f * w の定義は

τ = 0τ = t f( t - τ ) w( τ ) dτ

って書いてあり、 最初に書いた式とはf( )、 w( )の括弧の中が逆です。

しかしご安心ください。この二つは同じになります。

教科書に書いてある式 

f * w = ∫τ = 0τ = t f( t - τ ) w( τ ) dτ

を、わざと dτ を粗くして 地道に書くと、

f(100) w(0) + f(99) w(1) + f(98) w(2) + .... + f(2) w(98)+ f(1) w(99)+ f(0) w(100)

という感じですよね。 t を 100、dτ を 1 にして書いてみました。
これは何も 逆順に足しても良いわけで、

f(0) w(100) + f(1) w(99) + f(2) w(98) + .... + f(98) w(2) + f(99) w(1) + f(100) w(0)

こう書くと、前のページにあった書き方

τ = 0τ = t f( τ ) w( t - τ ) dτ 

すなわち w * f と同じになることが分かるよね。

変数変換が好きな人は、教科書の式 f * w で t - τ を u などと変数変換しても良いです 
(ここで t は定数扱いなことに注意、τ = t - u ,  -dτ = du )。   w * f と同じになります。

だから章末の練習問題や何かで、
f(t) と g(t) のたたみこみを求めなさいっていう問題が出たときは、
f*gかg*fのどっちが楽に計算できるか考えて、
楽なほうで計算するといいんだよ。

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