東北工業大学 工学部情報通信工学科 中川研究室


たたみこみ(合成積)
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積分嫌い用
足し算の
たたみこみ

世の中、積分が嫌いな方は多いようです。 そんなあなたのために、 積分を使わない「たたみこみ」の表現もあります。

すべての事件に、
経過時間に応じた忘れ具合をかけて、
生まれた日から今日まで全部足す、っていうのを、
もっと地道に書いてみましょう。

あなたが今21才だとすると、
生後0年の事件 f(0)は、すでに21年前の出来事ですね。
生後1年の事件 f(1)は、20年前の出来事です。
生後2年の事件 f(2)は、19年前の出来事です。
     :
生後19年の事件 f(19)は、2年前の出来事です。
生後20年の事件 f(20)は、1年前の出来事です。
生後21年の事件 f(21)は、0年前の出来事です。

それぞれの事件 f( その時 ) に 忘れ具合 w( 経過時間 ) を掛けて、 生まれた年 から 今年 まで 全部足すと

f(0) w(21) + f(1) w(20) + f(2) w(19) + ....
  + f(19) w(2) + f(20) w(1) + f(21) w(0)

となりますね。

足し算を全部書くと面倒なので、全部足す記号Σを使って書くと

Σ生まれた年 から 今年 まで { f(事件の年 ) w( 経過時間 ) }

となります。これが現在の心境です。

ここで 事件の年τ 、 (今年) を t  と書いてみましょう。 (生まれた年) は τ = 0 で良さそうですね。 経過時間は 事件日τ から 今年 t まで の年数なので ( t - τ )となります。

Στ = 0 τ = t { f(τ) w( t-τ) }

これが足し算形のたたみこみ f * w です。


あれ、でも自分の持ってる本には
Στ = 0 τ = t { f( t-τ) w(τ) }

って書いてあるよ、という方。 最初に書いた式とはf( )、 w( )の括弧の中が逆ですね。

さっきの足し算を、わざと 逆順に書くと

f(21) w(0) + f(20) w(1) + f(19) w(2) + ....
  + f(2) w(19) + f(1) w(20) + f(0) w(21)

となりますね。だから

Στ = 0 τ = t { f( t-τ) w(τ) }

と書いても同じなんです。どっちも正しいってことです。

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