東北工業大学情報通信工学科 中川研究室 

ELF帯地磁気変動の例

東北工業大学情報通信工学科 中川研究室は、
宮城県の女川、川渡(かわたび)、福島県の飯舘で
0.1~44[Hz]の地磁気変動を観測してきました。

このページでは、観測された地磁気変動の例をお見せします。

横軸が日本時間[JST]、世界時間[UT]、縦軸が周波数[Hz]、
縦(周波数)方向に357個の値(パワー密度[nT^2/Hz])が並んでいます。
最大周波数は357×0.125=44.625[Hz]です。

それぞれの周波数の磁場変動の強さ[nT^2/Hz]を色で表しています。

Quiet day with Schumann resonance

2015年10月13日です。この日は穏やかで、
8[Hz]、14[Hz]、21[Hz]付近が帯状に強くなっているのが確認できます。

これは、シューマン共振といい、外国の雷によって発生した磁場変動のうち、
波長がちょうど地球1周するもの、
2波長で地球1周するもの、
3波長で地球1周するもの・・・が消えずに残ったものです。


Quiet day with noise from lightning

こちらは2000年8月4日のダイナミックスペクトルです。

この日は日本時間14時から19時過ぎまで広い周波数にわたり変動が強くなっています。
これは近くで起こった雷によるものと考えられます。
6時頃に白く抜けているところがあるのは、
磁場変動が観測できる強度の上限に達してしまった(飽和)ところで、
正しいデータが得られないため抜いてあります。


Pc-1

このスペクトルは2015年10月10日のものですが、1-5Hzを拡大して表示しています。

1.5-4[Hz]に現れた強い磁場変動は、Pc1と呼ばれる地磁気脈動で、
地球磁気圏と太陽風の相互作用の結果、発生するもので、
今盛んに研究が行われています。


Spectral Resonance Structure

このスペクトルは2008年4月9日のものですが、1-5Hzを拡大して表示しています。

縞状の構造はSpectral Resonance Structure (SRS)と呼ばれている構造で、
電離層の電子密度が高さによって変わり、濃いところでAlfven速度が最小になるため、
その上と下で反射が起こり、特定の周波数の波が補足されて縞ができるそうです。


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