東北工業大学 情報通信工学科 中川研究室 

ULF波動で知る月のウェイクのポテンシャル

口頭発表論文リストに戻る


ULF波動で知る月のウェイクのポテンシャル
Potential drop of the lunar wake determined from upstream ULF waves
中川朋子(東北工大)、高橋芳典(フジオーネテクノエンジニアリング)、 飯島雅英(東北大)
Tomoko Nakagawa, Yoshinori Takahashi, Masahide Iizima

地球電磁気・地球惑星圏学会 波動分科会、春日、九州大学、 2003年9月10-11日.

 1994年10月25日、月から約4万7千km(月半径の約27倍)上流において、月のウェイク起源と見られる 0.3 - 1.1[Hz]のULF波動が GEOTAIL衛星搭載の磁場観測装置MGFによって16:45から15分間、および18:55から7分間の2度にわたって観測された。 この時のGEOTAIL衛星と月の位置は地球の朝側およそ(-20,-60,-6)RE であった( 図1)。

図1 1994年10月25日の月とGEOTAIL衛星の軌道。GSE座標xy面の投影。

 月近傍における同様の周波数帯の現象はこれまでにもExplorer衛星(Ness and Shatten, 1969)やWIND衛星(Farrel et al., 1996)などによって報告されている。 Farrel et al.(1996)は月のウェイクから月半径の2-3倍の距離の夜側の軌道上で観測された1-2[Hz]のULFを月のウェイクに生じた電場で反射された約500[eV]の電子と共鳴したものと推定した。 また、火星探査機「のぞみ」は月の前方月半径の約1.5倍の距離で、ウェイクで反射したと見られる約100[eV]の電子流を観測している(Futaana et al., 2001)。今回の観測はこれらの報告よりはるかに上流においてULF 波を観測したものであり、このULF波の周波数と偏波から月ウェイクのポテンシャルを知ることができたので報告する。

 図2に1994年10月25日16:20−17:10の磁場Bz成分のダイナミックスペクトルを示す。これは時間分解能1/16秒の磁場データを1分間ずつフーリエ変換したものである(一部データ欠損のため1分より短い期間でフーリエ変換した)。16:45から15分間にわたり、およそ1.1[Hz]に周波数の上限を持つ波動が観測されている。現象の見え始めでは0.9-1.1[Hz]の周波数帯で波動が強まっているが、時間と共に周波数の下限が次第に下がってゆき、現象の中心時刻である16:52頃には0.3[Hz]までになった。周波数の上限はほぼ 1.1[Hz]のままで変化していなかった。その後周波数の下限は次第に上がって行き、ほぼ最初の状態に戻って消えた。

図2 1994年10月25日16:20−17:10にGEOTAIL衛星によって観測された磁場Bz成分のダイナミックスペクトル。

図3は(a)通常の太陽風中の磁場変動のスペクトルと (b)このULF波動のスペクトルを比較したものである。図3(a)と比べ、図3(b)では1.1[Hz]にはっきりした周波数の上限があることが分かる。周波数の下限は0.3[Hz]付近と見られるが、上限ほどははっきりしていない。

図3 (a) 通常の太陽風中の磁場変動のスペクトル。 1994年10月25日16:21-16:22にGEOTAIL衛星によって 観測された磁場Bz成分。(b) 同日16:51-16:52に観測 されたULF波動のスペクトル。

図4に同日18:30-19:10のBz成分のダイナミックスペクトルを示す。18:55から6分間にわたって0.3-1.1[Hz]の周波数帯が強まっている。図2の場合と同様、最初に0.7[Hz]以上だった周波数の下限が0.3[Hz]位まで下がり、18:57から再び上昇に転じている。
 この現象に先駆け、18:38頃から18:48にかけても1.1[Hz]付近に淡い現象が見られるが、前述の2例ほどははっきりしていない。

図4 1994年10月25日18:30-19:10にGEOTAIL衛星によって観測された 磁場Bz成分のダイナミックスペクトル。18:55から6分間にわたって 0.3-1.1[Hz]の周波数帯が強まっている。

このような周波数帯の現象のひとつとしては、地球前面衝撃波に関連したホイッスラー波(Fairfield, 1974)が知られているが、磁力線がGEOTAIL衛星と月の夜側を結ぶ配置となった時にのみ観測されたことから、図2、4で示した現象は月のウェイクに関連したものと考えられる。実際、衛星はこの前後数日間にわたり衝撃波の前面にあったが(図1参照)、このような波動が見られたのはこの10月25日だけであった。

 この日のGEOTAIL衛星と月の位置関係と、現象が見られた時刻の磁力線を 図5に示す。衛星の位置は月を中心とし太陽方向をx軸とした黄道座標で描いてある。図5に示された磁力線は、GEOTAILで観測された磁場ベクトル(3秒平均値)を、月のウェイクに達するまで延長したものである。月のウェイクは、月から太陽風に沿って月の反対側に伸びた円筒でモデル化した。円筒の半径は月の半径と同じ、円筒の長さは月半径の40倍とした。ULF波動の観測された期間の太陽風磁場の平均値は16:45-17:00で(-5.8,1.8,0.7)[nT]、18:55-19:00で(-6.0,2.6,0.4)[nT]であり、衛星と月のウェイクは磁力線によってつながれていた。よって、この磁力線に沿ってホイッスラー波が時上流側へ伝搬しGEOTAILで検出されたものと考えられる。

図5 1994年10月25日12:00-24:00のGEOTAILの軌道と磁力線。 月を中心とした黄道座標で示す。 ULF波動の観測された時刻の太陽風磁場を 月のウェイク(影をつけた部分)に達するまで延長した。

しかしながら、磁力線がつながっていることだけがULF波の検出の条件とは言えない。この日の太陽風および太陽風磁場は非常に安定しており、衛星とウェイクは12:00-24:00にかけてずっと磁力線によってつながれていたが、ULFが検出されたのは15分以内のごく限られた期間だけであった。この理由については後述する。

 磁力線に平行に伝搬する波であれば、横波であることが期待されるが、 図6 に示した波形からわかるとおり、磁場強度の変動よりも成分ごと変動の方が強く、横波的な変動であることがわかる。

図6 観測されたULF波の波形の例。1段目が磁場変化最大の方向の成分Bmax、 3段目が磁場変化最小の方向の成分Bmin、2段目はその両方に直交する方向の成分Bmed、 4段目は磁場強度|B|である。

  図7 にULF波の伝搬方向と磁力線の間の角度を示す。伝搬方向は、16[Hz]の磁場データ1分ごとに最小変化法(minimum variance analysis)を適用して求めた。波の伝搬方向はおおよそ磁力線の10度以内であり、ほぼ平衡伝搬に近いことが解る。

図7 1994年10月25日16:45-17:00のULF波の伝搬方向と磁力線の間の角度。

このULF波は、GEOTAIL衛星では背景磁場に対し左回りの波として観測された。 図8 に磁場のホドグラムの一例を示す。背景の磁場は紙面の裏から表に向かう方向である。左回り(電子の回転と逆周り)のきれいな円偏波が観測されている。ULF波の観測されていた間中、この回転方向は変わらなかった。

図8 磁場の回転方向。1994年10月25日16:47:27.9からの3.1秒間を示した例。 背景磁場は紙面の裏から表に向かう方向である。 左回り(電子の回転と逆周り)のきれいな円偏波が観測されている。

このようなULF波が月のウェイクよりも上流で観測されるためには、500[km/s]を越える太陽風を遡れる群速度を持った波でなければならない。そのような波として考えられるのがホイッスラー波である。ホイッスラー波の偏波は背景磁場に対して右回りであるが、低い周波数帯では、太陽風速よりも大きな群速度と太陽風速よりも小さな位相速度を持つため、媒質である太陽風に対して相対的に運動しているGEOTAIL衛星から見ると、ドップラー効果のために回転方向が逆周りに見えるということが起こりうる。

 ウェイクより上流において、左回りに見える波が観測されるかどうかをさまざまなω、kについてまとめた結果を表1に示す。太陽風媒質中での各周波数をω、波数ベクトルをk、太陽風速度ベクトルをVswとすると、媒質に対する衛星の相対速度は(-Vsw)であるから、観測される見かけの周波数ωobs
ωobs = ω + k Vsw
となる。太陽風速|Vsw|が位相速度Vph=ω/|k|よりもさらに大きければ、GEOTAIL衛星が等位相面を追い抜く形になり、見かけ上回転方向が逆になる。よって、元々右回り(電子と同じ向き)に回転する波が太陽風中を磁力線に沿って太陽方向に伝搬している場合、上流において左回りの波として観測されることが可能である。逆に、この右回りの波が太陽風の流れと同じ向きに伝搬していたならば、周波数が上がって見えるのみで回転方向は変わらず、観測された左回りの偏波を説明することができない。

 一方、元々左回りの波が太陽風中を伝搬していると仮定すると、左回りの波として検出され得るのは反太陽方向のkを持つ場合に限られる。太陽向きのkを持つ場合は、位相速度が大きければ回転方向は変化しないものの、ωobs<ωであるため、媒質中のωは観測された1.1[Hz]よりも大きかったはずである。ωobsだけでもすでに現象が観測された時のイオンサイクロトロン周波数0.1[Hz]の10倍程度であるので、”イオンサイクロトロン周波数と電子サイクロトロン周波数の間の帯域には左回りの波は存在し得ない”というプラズマ波動理論によりこの可能性は棄却される。

表1 GEOTAILから見て左回りに観測される波
ω k ωobs 結果
右回り(e)の場合 太陽向を仮定ω-|kVsw|Vph<Vsw なら反転
Vph>Vsw だと観測に合わない
右回り(e)の場合 反太陽向を仮定ω+|kVsw|極性反転せず
観測に合わない
左回り(ion)の場合 太陽向を仮定ω-|kVsw|Vph<Vsw だと反転
観測に合わない
Vph>Vswだとω>ωobs
左回り存在しない帯域
左回り(ion)の場合 反太陽向を仮定ω+|kVsw|ω<ωobs ありうる

 太陽風中を磁力線に沿って太陽方向に伝搬している波が電子とサイクロトロン共鳴するためには、粒子から見た電場が、粒子のサイクロトロン運動と同じ向きに回転する必要がある。月のウェイクで反射されて太陽方向に速度Vbで進む電子から見ると、速度Vswの太陽風中を進む波の見かけの角周波数はω-|kVsw|-|kVb|となるが、GEOTAIL衛星で見た角周波数ωobs= ω-|kVsw|がすでに負になって極性反転していることから解るとおり、電子から見た波の回転は左回り(電子と逆)となってしまうのでサイクロトロン共鳴を起こすことができない(表2)。

 電子流が反太陽方向に流れていれば、この電子から見て、速度Vswの太陽風中を進む波の見かけの角周波数はω-|kVsw|+|kVb|となり、これが電子サイクロトロン角周波数Ωeの整数倍になればサイクロトロン共鳴を起こすことができる。電子の速度が太陽風速と波の位相速度の差よりも大きければ良いので、これは十分可能である。

表2 波と電子との共鳴条件
ω k beam 共鳴条件
右回り(e) 太陽向のはず
Vph<Vsw
太陽方向を仮定ω-|kVsw|-|kVb|=nΩe
n<0 電子回転と逆 不適
右回り(e) 太陽向のはず
Vph<Vsw
反太陽方向を仮定ω-|kVsw|+|kVb|=nΩe
Vb>Vsw-Vphaseで共鳴
左回り(ion) 反太陽向のはず太陽方向を仮定ω+|kVsw|+|kVb|=nΩi
ωobs + | kVb| = nΩi
n>10、非現実的
左回り(ion) 反太陽向のはず反太陽方向を仮定 月より上流では観測不可

 しかしながら、ウェイク境界の電場で反射された電子が反太陽方向に流れるということがあるだろうか。これに対する答えが 図9である。太陽方向から流れてきた電子のうち、ウェイク境界の電位差を超えるだけのエネルギーを持たない成分は反射されるが、ウェイク境界の電位差より大きな運動エネルギーをもった電子はウェイクの壁を通り抜けることができる。よってウェイク境界の下流の電子の速度分布は、ウェイク境界の電位差のエネルギーよりも上側が盛り上がった形に変形される。このようなスペクトルの電子はサイクロトロン共鳴を通じて波にエネルギーを渡しやすいと考えられる。つまり、反射電子そのものではなく、反射されずにウェイクというフィルターを通過できた電子がホイッスラー波と共鳴したと考えられる。実際、Farrell et al.(1996)の解析した現象においても、波と共鳴した粒子のエネルギーは0.5-1.5[keV]と推定されているのに対し、同時に行われていた粒子観測では、それよりも低いエネルギーの反射電子が観測されたのである。

図9 ウェイク境界の電位差で反射される低エネルギー電子と電位差の障壁を通過できる高エネルギー電子

 一方、元々左回りの波を仮定した場合、観測された偏波を説明するには、太陽風に対する波の伝搬方向は反太陽向きでなければならないので、太陽方向に速度Vbで進む粒子からみた見かけの周波数は
ω+|kVsw|+|kVb|
反太陽方向に進む粒子からみた見かけの周波数は
ω+|kVsw|-|kVb|
となる。ここで観測周波数ωobs=ω+|kVsw|が左回りであるので、上流に向かう粒子から見ればさらに周波数の高い左回りの波となる。この波とサイクロトロン共鳴しうる粒子はイオンとなるが、観測周波数ωobsがイオンのサイクロトロン周波数Ωiの10倍程度なので、共鳴の次数はさらに上がり10以上となってしまう。これほど高次のサイクロトロン共鳴が効率的に起こるとは考えにくい。

図10にホイッスラー波の分散曲線を示す。GEOTAIL衛星から見て偏波が反転して見えるためには、位相速度が太陽風速より遅くなければならないので、図10中、上の点線ω= |k| |Vsw| cosθks (ただしθksは波数ベクトルkと太陽風速Vswのなす角度) よりも下の領域の波が観測されたはずである。これよりも周波数の高い波であれば、衛星から見ても右回りとなる。

図10 ホイッスラー波の分散曲線の模式図。2本の点線は(上)観測された波が左回りに見える条件(下)波が上流に伝搬できる条件。右下がりの直線は電子とのサイクロトロン共鳴(1次)を表す式

 一方、GEOTAILよりも下流で励起された波がGEOTAILに到達するためには、太陽風を遡れるだけの大きな群速度Vgを持たなければならない。図10の下の点線は、分散曲線の接線のうち、波が太陽風を遡れる条件 Vgcosθks>Vsw を満たすことのできる限界を示す。これよりも接線の傾きが大きくなる高周波側の波だけが上流に伝搬して衛星に達する。

 図10で、点(ω,k)=(Ωe,0)を通り傾きが負の直線は、波と速度Vbの粒子とのサイクロトロン共鳴を表す式
ω-|kVsw|+|kVb|=Ωe
である。この直線とホイッスラー波の分散曲線の交点(ω,k)でサイクロトロン共鳴が起こる。粒子速度が小さければ傾きが緩やかになり、交点は高周波側へ移動、粒子速度が大きければ傾きが急になり、交点は低周波側へ移動するが、あまり周波数が低いとホイッスラー波の群速度が落ち、GEOTAILでの検出が不可能となる。これより、上流に伝搬しうる周波数の下限は、ホイッスラー波の群速度がVsw/cosθksと等しくなる周波数であることがわかる。

図11に 1994年10月25日16:45-17:00のプラズマ周波数18[kHz]、電子サイクロトロン周波数174[Hz]を用いて描いた、平行伝搬のホイッスラー波の分散曲線を示す。この時の太陽風の速度べクトルは(-501, 25, 6) [km/s]、波の伝搬方向は(0.92,-0.35,-0.13)でθksはおよそ20度、|Vsw|/cosθks=534[km/s]となる。図11より、群速度が534[km/s]となる周波数ωは000.82Ωe、波数k=9.4Ωe/cである。これが衛星と太陽風の速度差によってドップラーシフトし、GEOTAIL衛星で検出可能な周波数の上限となる。得られたk,ωをωobs=ω-|kVsw|に代入すると1.1[Hz]となり、GEOTAILで観測された周波数の上限とぴたりと一致する。

図11 1994年10月25日のULF波観測時のパラメタωp/Ωe=103を用いて描いたホイッスラー波の分散曲線。2本の点線は(上)観測された波が左回りに見える条件Vph<Vsw cosθks、(下)波が上流に伝播できる条件Vgcosθks>Vsw。後者により極性反転後の観測周波数の上限が決まる。Vsw=502[km/s]、cosθks=0.94を用いて描いてある。右下がりの直線は電子とのサイクロトロン共鳴を表す。

 一方、観測された周波数の下限から、共鳴粒子のエネルギーの下限を求めることができる。ドップラー効果を表す式
ωobs=ω-|kVsw|
は、図10、11において傾き|Vsw|cosθksでy切片ωobsの右上がりの直線となるので、これとホイッスラー波の分散曲線の交点から共鳴する波のω,k を求めることができる。観測された周波数の下限0.3[Hz]を代入するとω=0.0023Ωe, k=15.7Ωe/cとなり、この周波数で共鳴する電子のエネルギーは0.96[keV]となった。これはウェイクのポテンシャルの障壁を通過できる電子の最低のエネルギーであるから、このときのウェイクのポテンシャル差は0.96[kV]であった事がわかる。

 この値はULF波の見えた期間の中頃の値で、その前後では観測周波数の下限はもっと高い。現象の見え始めと終了間際では周波数の下限と上限がほとんど同じ値となっている。つまり、現象の見え始めと終了間際におけるウェイクのポテンシャル差は、ω=0.0082Ωeより、2.5[kV]程度だったことがわかる。

 図2,4において周波数の下限が上限と等しくなるように現象が消えていくことは、それ以降はウェイク境界のポテンシャル差はさらに大きくなっていることを暗示する。それゆえウェイクを通り抜けられる電子の最低のエネルギーはさらに高く、それらと共鳴できる波の周波数はさらに低くなり(図10,11参照)、そこでの群速度が太陽風速より遅いため上流のGEOTAIL衛星で検出できなくなるのであろう。

 このことから、ウェイク境界のポテンシャル差は通常は2.5[kV]以上あり、GEOTAILの検出したULF波は、ウェイク境界のポテンシャル差が一部0.96[keV]程度まで弱くなっている箇所に相当するといえる( 図12)。これが、磁力線がずっと衛星とウェイクをつないでにもかかわらずULF波が間欠的にしか観測されなかった理由と考えられる。

図12 ウェイクのポテンシャル構造の模式図。ウェイク境界の一部のポテンシャル障壁が低くなっており、比較的低エネルギーの電子がそこを通過できる。それらの電子は太陽風をさかのぼれるほど大きな群速度を持つ大きな波数を持つ波と共鳴できる。

謝辞  GEOTAILの16Hz磁場データの使用に当たっては國分征先生はじめGEOTAIL/MGFチームの方々、及び長井嗣信先生にお世話になりました。1994年10月25日のプラズマ周波数は松本紘先生を始めとするGEOTAIL/PWIチームの観測されたPWI 24Hour Plotsより読み取りました。取り扱いについてご教示下さった小嶋浩嗣先生にも御礼申し上げます。

参考文献
Fairfield, D. H., Whistler waves observed upstream from collisionless shocks, J. Geophys. Res., 79, 1368-1378, 1974.

Farrell, W. M., R. J. Fitzenreiter, C. J. Owen, J. B. Byrnes, R. P. Lepping, K. W. Ogilvie, F. Neubauer, Upstream ULF waves and energetic electrons associated with the lunar wake: Detection of precursor activity, Geophys. Res. Lett., 23, 1271-1274, 1996.

Futaana, Y., S. Machida, T. Saito, A. Matsuoka, and H. Hayakawa, Counterstreaming electrons in the near vicinity of the moon observed by plasma instruments on board NOZOMI, J. Geophys. Res.,106, 18729-18740, 2001.

Ness, N. F., and K. H. Shatten, Detection of interplanetary magnetic field fluctuations stimulated by the lunar wake, J. Geophys. Res., 74, 6425-6438, 1969.

この内容は以下の論文に出版済です
Nakagawa, T., Y. Takahashi, M. Iizima,
GEOTAIL observation of upstream ULF waves associated with lunar wake, Earth Planets Space, 55, pp.569-580, 2003.

関連論文(和文)
2005年12月12日  月のウェイク境界におけるホイッスラー波の励起
2006年 6月 9日  月のウェイク境界からのホイッスラー波

口頭発表論文リストに戻る

 
中川研HOME東北工大HOME