東北工業大学 工学部情報通信工学科 中川研究室


定数変化法

ラプラス変換を
使わない解き方:

はじめに斉次式を解く
y ' +2 y = e-t ,    ただし y(0) = 3

さいしょに、わざと 右辺の e-t をなくしてyだけにした式
y ' +2 y = 0
を解きます。
( y'= -2y と書けば 一にyの1だから、これを斉次式と呼びます)

両辺に -2y 足して
y ' =-2 y
y ' を dy/dt と直して、 y と dy を左辺に、dt を右辺に集めて、
(1/y) dy = -2 dt
左辺は y で、右辺は t で、それぞれ積分すればいいですよね。
log e | y | = -2t + c
対数を戻すと
| y | = exp( -2t + c )
exp( -2t + c )っていうのは e ( -2t + c )ってことです。
y = + - e -2t e c
ここで c は任意定数なので e c  は任意の正の定数、
+ - がつくから + - e c は任意の定数、
なのでこれを別の任意定数 C と置きなおすと
y = C e -2t

これが y ' +2 y = 0 の解です。




右辺をなくすのではなく
y 以外のものをなくす
のがポイント

yやy' の1次しか
出てこないから
この微分方程式は「線形」
次に定数変化 次に、もともと解きたかった式 (非斉次式、yの1次でない項がある)
y ' +2 y = e-t
を解きます。

さっき求めた解 y = C e -2t定数 C の部分を
t によって変化する 関数 u(t) と置き直して
y = u(t) e -2t と書き、
これを
y ' +2 y = e-t に代入します。

いい感じに e -2t のところが消えて u(t) ' だけが残るから、 積分してu(t) を求めます。

u(t) が求められたら
y = u(t) e -2t に代入すればyの式の完成です。

(この方法を定数変化法といいます)

y = u(t) e-2tより
y ' = u ' e-2t
   + u ( e-2t) '
 を y ' +2 y =に代入
u ' e -2t = e -t
∴ u ' = e t
∴ u = e t +C

初期条件 最後に t=0 のときyが 3になるように
積分定数を調整すればいいんです。 

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